12月26日(水曜日) 曇り ここしばらく、M先生から頼まれた、先生の新著の出版記念パーティで流すプロモ映像を作っている。名作映画十数本から一場面を抜き出し、それに合った俳句を画面に被せるというものだ。 作業そのものは単純なのでスイスイと進んだが、せっかくここまで作ったのだから、ついでに全体のタイトル映像まで作ってしまおうと決心。プロモ映像で使用した映画の場面を再々編集し、一つの音楽で繋ぐ。 その音楽を何にするかと考えた時、すぐに頭に浮かんだのはジョルジュ・ドルリュー(1925 - 1992)の作品だった。 「トリュフォーの「日曜日が待ち遠しい!」のオープニング・テーマか、「アメリカの夜」のグランド・コラール、もしくは「終電車」のエンド・タイトル(=エピローグ)にしよう」と。 早速CD“Truffaut/Delerue”で、まず「日曜日が待ち遠しい!」を聴いたところ、あまりの幸福感にそのまま死にそうになった。(今気づいたけど、「あまりの幸福感にそのまま死にそうになった」という表現は、ブログ友だちのrbhhさんが使っているものの無意識パクリではないのか? ぼくはどうもすぐ人の影響を受けてしまう。rbhhさん、無断使用ゴメンナサイ) いや、もともとこの音楽を作曲したジョルジュ・ドルリュー(彼の公式サイトはこちらから)は映画音楽史上最大の巨人二人のうちの一人であるとは思っていたけど。(もう一人はニーノ・ロータ。この二人に僅差で続くのがエンニオ・モリコーネとジェリー・ゴールドスミス。続いてジョン・ウィリアムスとヴァンゲリスかな。あ、ライ・クーダーのことを忘れてた) でも、久しぶりに聴くドルリュー・タッチに感動して、ぼくの心は張り裂けかかった。いや、誇張でなしに。 昔、『メ●ムプレス』でジョルジュ・ドルリューについて、「彼の音楽には喜びと悲しみと笑いと涙と、とにかく人が人生で味わうすべての感情が一曲の中に盛り込まれている」と書いたが、とにかく彼の曲は聴いていると楽しくウキウキとなると同時に、切なくて悲しくて涙が出そうになる。 ぼくは音楽に関しては全くの素人だから、誰かこの奇蹟のような離れ業が可能なわけをぼくに説明して欲しい。(メロディーの作り方、楽器の選択等、それだけか? それだけでこれほどの物が出来てしまうのか? そんなはずはない!) ベルギーにいる作曲家の卵(← 失礼)Tさんあたり、どうかね? もしこの世に神というものが存在するとしたら、ドルリューは天使だったに違いない。 んな訳で、ここ数日「アメリカの夜」のグランド・コラールを日に何十編と聴いている。この名曲に合わせて映像を作ることができる喜びよ。真の恍惚とはこのような状態を言うのだろう。ぼくが昇天する時には、きっとこの曲が聞こえているに違いない。そういえば、「アメリカの夜」の中でこの曲が使われているのは、キャメラがクレーンでグワーンと天へと舞い上がっていくショットだった。 因みに、この文章を書きながら聴いているのは、ドルリュー指揮による自作のコンピレーション・アルバム(二枚組)“Great Composers: Georges Delerue”(昔、ぼくはMちゃんにこのCDをプレゼントした)に収録されている、彼が作曲したにもかかわらず愚かなプロデューサーによってボツにされた「何かが道をやってくる」(日本劇場未公開。ヴィデオは絶版)の幻の音楽組曲。 ドルリューの代わりに起用されたジェームズ・ホーナー(「タイタニック」他)も決して悪い作曲家ではないが。しかし、ブラッドベリとドルリューの組み合わせが有り得たのだ! 当然、この曲も素晴らしくて泣ける。 ぼくの葬式をやってもらえるのなら、ジョルジュ・ドルリューの曲をかけまくって欲しい。
by yaliusatII
| 2007-12-28 01:18
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